2007年12月17日

年金記録論議の不毛

日曜になると、あちこちのテレビ番組で年金記録の問題が議論されていますが、見ているとどうにも空しくなってしまいます。その理由は、
・資料の保存状態を考えれば、記録の照合と復元には莫大なコストがかかる
・どれだけコストをかけて記録を復元しても年金原資は減少するだけ
・年金原資の不足分(隠れ債務)は数百兆円(『超整理日記』によれば約800兆円)にもなる
ということです。

1000兆円にも届きそうな政府・地方の債務に加えて、これだけの隠れ債務があるわけですから、よほどのインフレにでもならない限り解消できそうにありません。そして、もしそんなインフレになれば(多くが円建てで運用されている)1500兆円ともいわれる個人金融資産の価値も大幅に下がります。

年金積立金管理運用独立行政法人が運用する91兆円の資金も、これは「莫大な借金を抱えた人がたまたま手元に持っているお金」の運用でしかありませんから、将来の給付債務を考えれば運用でカバーするのは困難です。

結局のところ、給付の削減か負担の増加しかないですが、資産を持っていない若年層が、金融資産の多くを持っている老年世代を支えるために高い負担を負わされる、という状況は変わりません。

人間は必ず死にますから、何十年かすれば老年世代が持っている金融資産も相続で下の世代に受け継がれたり、税金として国庫に入りますが、そのときにはインフレですっかり価値は下がり、莫大な過去のハコモノ債務で帳消しになっているのではないでしょうか。

こんな状況で個人にできることといえば、できるだけ年金のお世話にならなくて済むように個人資産を形成するぐらいしかないわけで、そういう意味でも年金記録問題の議論はまったく不毛なものに思えます。

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