2007年06月13日
『円の足枷』安達誠司
2003年以降のデフレ解消局面は、財務省による大規模なドル買い介入と日銀の量的緩和という事実上のリフレ政策によってもたらされたが、これは日銀の政策転換を示したものではなく、日本の政策担当者には円高を是とする考え方が根強くあり、それが早すぎる量的緩和解除・ゼロ金利解除につながり、デフレからの完全脱却を阻害する要因になっている、というのが本書の主張です。
一見リフレ派(あるいはインタゲ派)の単純な主張にも見えますが、デフレが解消していない状況で、物価動向に先行した利上げやマネタリーベースの伸び率鈍化は続くのか、1ドル125円を越えるような局面で(財務省の)為替介入が発動されるのか、といった点は、為替や金利の動向を理解するうえで重要なポイントになるのではないでしょうか。
為替変動の国際分散投資への影響は、長期的にはニュートラルなのでしょうが、短期的なリターンや投資タイミングの判断には影響を与えます。その意味で、日頃の金融ニュースを読むときの背景分析として注目できる主張だと思いました。
円の足枷―日本経済「完全復活」への道筋
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安達 誠司
東洋経済新報社 (2007/02)
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